ライフスタイル・徒然

人生に悩んでお寺に行ったら、異文化コミュニケーションを学んで帰ってきた話(2)

こんにちは。
まっちことおっさん(@matchicchi)です。

 

前回の記事が思いのほか好評でとっても嬉しいです!

 

もっとノウハウ系ネタやお役立ち系ネタの方がきっとウケがいいのだろうと思っていたので、とっても意外な反応でした。

 

<前回の記事>

人生に悩んでお寺に行ったら、異文化コミュニケーションを学んで帰ってきた話(1)

<前回のあらすじ>
当時26歳のおっさんは転職をしようと会社を辞めたが、何をすればいいか悩んでいました。
そこで手に取った本から、「そうだ!お寺に行ってみよう」ということを思いつき、探して行ったお寺は、住職さん(堂長さん)も、参禅者も外国人だらけでした・・・。
さて、おっさんの運命やいかに!?

 

前回お話ししたように、行ってみたらとっても変わったお寺でした。
今回はそのお寺での1日を書いてみます。

 

 

■不思議なお寺の1日

「安泰寺」というお寺は山の上にあります。

 

電気も水道も通っていますが、ガスはありません。

 

お寺の中は広く、本堂、食事処もそれぞれ30畳くらい。

 

部屋数は数え切れないほどありました。

 

お寺の一角には、ネルケさんのご家族が住む家も併設されていて、奥様と当時4歳くらいだった可愛い女の子が暮らしていました。

 

そんな、
堂長さんがドイツ人ということ以外は、
絵に描いたようなお寺での1日は以下のようなスケジュールでした。

 

<お寺の一日のスケジュール>
3:40 起床
3:50 集合
4:00 坐禅
6:00 食事
6:30 掃除
7:30 休憩
8:00 作務(各種お仕事)
12:00 食事
12:30 自由時間
16:00 入浴
17:30 食事
18:00 お説教
19:00 坐禅

20:00 就寝

 

 

■起床〜坐禅

皆さんもご存知の通り、お寺の1日は朝が早いです。

 

まず朝3時40分くらいに起床して、3時50分に本堂前集合です。

 

当時は秋真っ只中の10月でしたが、山頂にあるお寺だし、一般的には朝というより深夜という時間帯だったので、めちゃめちゃ寒いです。

 

しかも靴下禁止。

 

めっちゃ冷えた廊下を裸足で歩きます・・・。

 

そこから2時間坐禅です。

 

最初は寒さとの戦い。
次は眠さとの戦い。
最後は足の痛みとの戦いです。

 

ぶっちゃけ慣れるまでは、
悟りどころの騒ぎではありませんw

 

坐禅をしたことない人のために一応説明しておくと、坐禅の時の座り方は「あぐら」ではありません。

 

結跏趺坐(けっかふざ)もしくは半跏趺坐(はんかふざ)といいます。

画像引用元m(_ _)m:http://www.taigakuji.net/zazen.html

 

結跏趺坐は両足を両足の腿(もも)に乗せる座り方。
半跏趺坐は片足だけを腿に乗せる座り方です。
本来は結跏趺坐なのですが、体の硬い人は半跏趺坐でもOKという感じです。

 

ちなみにおっさんは半跏趺坐しかできません(`・ω・´)キリッ

 

いずれにしても2時間座り続けるというのは大変でした。

 

 

■食事

2時間の坐禅をほうほうの体で終えると、速攻で朝ごはんです。

 

この食事が、一般の食事と比べて、お寺の食事はとっても変わっているんですよね。

 

食事係は、典座(てんぞ)といって、参禅者や修行者が持ち回りで作ることになっています。

 

典座だけはちょっと先に坐禅を終えて、食事作りに入ります。

 

でも、当時26歳だったおっさんはほぼ料理をしたことがなかったので、堂長さんのお情けで免除してもらいました(^^;;
参禅者の中にドイツ人コックさんが居たのも理由だったかもしれません。

 

安泰寺では基本的に野菜も米も自給自足していました。
もちろん肉はありません。

 

メニューは日によって変わりますが、基本は「ご飯」「漬物」「一品」だけです。

 

特徴的なのは、食事の時間とその作法です。

 

<食事中のルール>
・座り方は正座。
・食事中の会話は禁止。
・食事は堂長さんが食べ終わると、他の人も食事時間終了です。

 

当時ネルケさんはおそらく30代後半くらい。
男性で、180cm以上あるドイツ人ですから、当然食べるのも早い。

 

っていうか、めっちゃ早い∑(゚Д゚)

 

当時20代のおっさんでもついていくのがやっとでした。

 

女性の参禅者も3人ほどいたのですが、その方々が一番大変そうにしていたのが、この食事時間が短いことでしたね(^^;;

 

 

■食事は「応量器」でとる

食事をする器は応量器というものを使います。

応量器というのは、上の画像のように、いくつものお椀やお皿が積み重なってコンパクトに棚にしまうことができる合理的な食器です。

 

この応量器、洗いません。

 

<応量器を使った食事方法>
①それぞれの器にご飯や一品などを盛ります。
②食べるのはもちろん普通に食べます。
③ご飯の残りが少なくなってきたら、漬物などでご飯の残りをお茶碗から剥がして食べます。
④お茶を器に注ぎ、器を綺麗にして、最後にお茶を飲み干します。
⑤自分専用の布巾で、器を拭き、その布巾で応量器を包んで、壁に置く

 

という感じで、器を洗わないで食事を終えるんです。
衛生的にどうかは正直わかりませんが、肉料理がないので、油がほとんどない。
だからできることですよね。

 

お寺の生活って合理的なんだなーと思わされた一コマでした。

 

 

■掃除と作務

食事を終えると、掃除です。
想像通り、ほうきと雑巾で掃除します。

 

ただ、安泰寺は人数に対して、異様に広かったので、結構手付かずの場所とかたくさんありました(^^;;

 

意外と短く1時間くらいで終了。

 

掃除を終えたら、作務(さむ)です。
作務とは、要するに仕事のこと。
食糧の調達、エネルギー(薪など)の調達、
家屋・道具などのメンテナンスなどなど。

 

言い直すとお寺の家事全般ですね。

 

おっさんもいろんな作務をしました。

 

春とかだったら農作業が主となるみたいなんですが、
秋だったので、
冬に備えて家屋の外壁をコールタールで塗ったり、
ガスが通っていない環境なので、
お風呂や食事作り用の薪(まき)を斧で割ったり。

 

外壁のコールタール塗りは怖かったー。
屋根の上に登っての作業もあるんですが、屋根が滑る滑る・・・。
何度か落ちかけましたw

 

薪割りって、憧れたことありませんか?

 

おっさんは、
はじめの一歩(ボクシング漫画)が好きだったので、
薪割りは楽しかった。

 

薪割りって「広背筋」が鍛えられるんですよw

※実際の薪割りは上から一気に振り下ろしたりはしません。あくまで漫画です・・・。

 

そんな感じだったので、
普段の生活ではできないことばかりやらせてもらえて、
楽しかったなー。

 

 

■昼食・自由時間

作務が終わると、昼食です。

 

昼食は、主にうどんでした。

 

っていうか毎日うどんでした(@_@)

 

正直なところ、味は・・・という感じでしたね笑

 

朝食もそうなのですが、基本薄味です。

 

もしかしたら関西だから?というのもあるかも笑

 

昼食後は、待ちに待った自由時間。

 

みんなでサッカーをしたり、
山を散歩したり、
部屋で読書をしたり。

 

おっさんは電子辞書片手に英語コミュニケーションを図っていましたね〜。

 

年齢も性別も国籍もバラッバラでしたが、だからこそ楽しかった。

 

みんなでこっそりタバコを吸ったりなんて、高校生みたいなこともしてましたね笑

 

ちなみに、意外かもしれませんが、タバコもお酒も禁止されてはいません。

 

タバコはたまに吸う方が美味しいですね笑

 

おっと、全2回のつもりだったのですが、

 

まだ終わらない・・・。

 

またもお話を一旦区切りますー。
続きをお楽しみに。

 

つづく。

 

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更新のお知らせもTwitterでは必ず行います。

それでは、さいちぇん!

<つづきはこちら>

人生に悩んでお寺に行ったら、異文化コミュニケーションを学んで帰ってきた話(3)